古枯の木の父親はいつも今年の生活はその前の年の収入によって営めと言っていた。一般のアメリカ人は今の生活を未来の収入に頼っている。これではダメなわけだ。一方、父親は一年分の生活費以上の蓄財は必要ないともアドバイスしていた。
古枯の木は富の蓄積を否定はせぬ。ただほどよい貧乏の域を脱した蓄積は必要ないと提言するのだ。金は死蔵してはいけない。死ぬときは三途の河を渡る船の船頭に渡すチップを残しておけばよい。金は休眠、死蔵させず、よい目的に費消されるときに最も光彩を放つ。子孫に美田を残すとそれが彼らをスポイルしてしまうだろう。
腐っても鯛というが腐った鯛よりも生きのいい鰯のほうがよっぽどいい。数年前、千葉県の銚子へ行き、鰯のつみれ汁を食った。こんなにうまいものがこの世に存在するのかとの感慨を持った。
古枯の木ーーー2009年7月6日記す。
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