2009年5月15日金曜日

ルーマニア陸軍に幸いあれ!

ルーマニア陸軍に幸いあれ!

 東欧7カ国を旅行中、我々を見守るルーマニア人の医師がいた。この医師と仲良くなったので、ある日、ルーマニア陸軍は本当に弱かったねと切り出した。事実ブルガリア、イタリアの陸軍と同様ルーマニア陸軍は大変弱かった。戦史上有名な事実がある。1940年夏、ドイツがスターリングラード(現ボルゴグラード)を攻撃したときルーマニア陸軍もドイツ側に参戦した。ところがルーマニア陸軍はソ連兵を見るや否や直ちに敗走した。それだけではなくドイツから供給された近代兵器をすべてソ連側に引渡し、ドイツ軍はこれにより思わぬ苦戦を強いられた。
 このことをルーマニア人医師に話したとき、医師はルーマニア陸軍が初年兵に最初に施す訓練は両腕を肩より上に挙げること(降伏すること)だと言った。さらに彼はルーマニアのタンクには前進のギアが一つ、後進のギアーが4つ装備されていると説明した。後進のギアーは敵前逃亡のためだが、一つの前進ギアは何のためかと訊いたら、敵が後ろから来たときに前に逃げるためのギアだと言って大笑いした。もちろんこれは医師のジョークである。
 ああ、弱いルーマニア陸軍に幸いあれ!

古枯の木        2009年5月14日記す

0 件のコメント:

コメントを投稿