2010年1月20日水曜日

2人の弁護士の死

2人の弁護士の死

 最近、2人の友人弁護士が相次いで鬼籍に入った。一人をA氏、他の一人をB氏としよう。A氏は戦時中、日本の海軍経理学校に学んだ秀才。渡米後Union Bankで働きながら弁護士の資格を取得した。日米の戦史に詳しくいろいろと教えてもらった。山本五十六元帥を大変尊敬し、一度新潟県の長岡にある山本五十六記念館を訪問したいといっていたが、この夢はついに実現しなかった。
 A氏は生前、彼の死んだときには坊主、葬式、戒名、墓、新聞広告などは一切不要と言っていた。死後すべてが彼の要望どうりに進んだ。享年80.最近、日本では葬式を排するこの方式を直葬といい、一つの新しい時代の傾向になっているとのこと。ついでながら普通の葬式には費用が500-600万円もかかるそうだが、直葬なら9.7万円ですむとのこと。古枯の木は直葬を選びたい。
 B氏は日本の学校卒業後、船でロスにやって来た。生まれはもともとハワイ。薬剤師の資格を取得したが薬剤師は医師の指示で薬を調合するだけでなんら自主性がないといってそのあと弁護士を目指して猛勉強。苦節16年後、59歳でやっと弁護士資格を取得した。現在、東京都の知事をしている石原慎太郎とB氏は同級生で、B氏の弁護士試験パスのニュースを聞いたとき、慎太郎が“同級生の中で一番勉強したのはBだ。彼には脱帽する”と言ったそうだ。あの誇り高き慎太郎がB氏に敬意を払ったのだ。
 B氏の葬式はガーデナの仏教会でしめやかに行われた。享年77.彼はいつも人生とはチャレンジと努力だといっていたが、いったい彼はあの世で何にチャレンジしているだろうか。
古枯の木

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