少子化対策に反対する
このところ自民党も民主党も小子化を食い止めようと必死である。なぜそんなことをするのか。戦時中、日本政府は愚かにも生めよ増やせよの国策を採った。“結婚はお国のため”などというスローガンもあった。1939年5月に発生したノモンハン事件ではソ連の戦車、重砲に敗退しながらこれにたいする反省は皆無だった。軍事力の強化を高価な武器よりも安い人間に頼った。しかもその数のみを追い求めた。
20世紀後半、ルーマニアにチャウシェスクという大統領(1965-89)がいた。彼は1971年6月、中国と北朝鮮を訪問し、大群衆の大歓迎を受けた。彼はそのとき愚かにも“国民の数が国力の源泉なり”との誤信を抱いてしまった。帰国すると妊娠中絶を非合法化し、コンドームの販売を禁止した。夫婦は子供3人以上を生むことを法律で強制し、5人生めば各種のベネフィットが与えられ、10人生めばヒーローであらゆる公営の交通機関が無料になった。その結果、ルーマニアはいまでも莫大な数の孤児の問題に悩まされている。
日本では自民党と官僚たちが日本の財政をむちゃくちゃにした。民主党がばらまき政策でその軌跡を追っている。現在の日本は世界最高の国債依存率であり、日本はまさに危機的財政状況にある。政府は人口増加策によりこれから生まれてくる子供たちにそのつけを回そうとしている。これは余りにも時間がかかりすぎ、また余りにも姑息な手段といわざるをえない。
日本と大体国土面積が同じのノルエーの人口が470万。これにたいし日本の人口は1億2千万。なぜ人口をこのうえ増加させなければならないのか。日本の人口は6千万でも充分ではないだろうか。
古枯の木―2010年7月2日
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