無用の長物
戦時中密かに世界の三大無用の長物は、エジプトのピラミッド、中国の万里の長城、それに日本海軍の戦艦大和であるといわれた。さいきんテレビなどで”おもてなし”の文化などが騒がれている。だが日本的なおもてなしなど必要だろうか。古枯の木はこれは無用の長物だと考えている。
アメリカでは他社を訪問したとき秘書は必ず客に対してさきにコーヒーをだしてくれる。レストランに入ればウエイトレスは必ず女性の方から注文をとる。子供を同伴すれば必ずハイチェアーが必要かと訊いてくれる。これくらいのことは教育をうけずとも全員が当然自然に行うわけだ。アメリカにも社員教育はあるが、こんな社員教育はしたことはないしされたこともない。
ところが日本ではどうか。障子一本を開け閉めすのに跪いて行わねばならぬ。お茶一杯出すのにもいろいろ面倒な所作が必要だ。日本のこのような行儀作法は古枯の木には無用の長物である。ときには慇懃無礼に思われるし、余りにも非生産的である。日本の一流会社の幹部の中には行儀作法こそが社員教育の一番重要な部分であると考えている時代遅れの輩が多数いる。おもてなしの文化は絶対に西欧世界で根ずくことはない。
古枯の木-2010年7月26日記す。
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