歴史の教訓を無視する者は歴史によって罰せられる
よく歴史は繰り返すといわれる。英語でも同じ表現がありこれをHistory repeats itself.という。これは人間の性情が古今東西を通じて変わらないものとすれば、同じような原因から同じような結果が生ずるということだろう。
ここで外交史上有名な二つの事件を紹介したい。1812年6月23日、ナポレオンがロシア遠征を始めた。目的はロシアの征服である。その129年後、こんどはヒットラーがソ連遠征を始めた。1941年6月22日、午前3時15分。ナポレオンより一日早かった。この作戦はバルバロッサ作戦を呼ばれ、動員兵士400万人、タンク3,300台、大砲7千門、飛行機2千機という空前絶後の大規模なものだった。ヒットラーもソ連の制服を目的とした。ソ連を征服し、対英交渉で有利な立場を得ようとしたと一般には信じられている。だがその年の晩秋、レーニングラード(現在のサンクトペテルブルグ)の郊外に到着したドイツへいは皆、夏服を着ていた。両者はともに完膚なきまでに冬将軍に敗れたわけである。この点から歴史は繰り返すと言い得よう。
ヒットラーは歴史の教訓を無視して対ソ作戦を始めた。この戦争がヒットラーにとり命とりとなり第3帝国建設の夢は雲散霧消した。まさに歴史の教訓を無視したヒットラーは歴史によって罰せられたわけである。
古枯の木―2010年8月19日記す。
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