2010年8月30日月曜日

職業に貴賎あり

職業に貴賎あり

 2010年8月21日芸能関係の暴露記事を書き続けていた梨元勝が死んだ。職業に貴賎なしと一般にいわれるが本当だろうか。古枯の木は暴露記者も暴露記事も好きではない。だれにでもある秘め事を暴くことにどれほどの価値があるだろうか。書く奴も書く奴だがそれを喜んで掲載するマスコミの好奇心や下劣さにも腹がたつ。さらにそれを期待している読者も読者だ。
 暴露記事により当の本人だけでなく、多くの関係者が多かれ少なかれ被害を蒙ることになるであろう。中には命を絶った人や転居を余儀なくされた人もいるだろう。
 古枯の木が生涯で一番赫怒したのは山本五十六のプライバシーが暴露されたときだ。1979年4月18日芸者梅竜こと河合千代子が五十六との恋愛を週間朝日を通じて暴露したのだ。しかも千代子は五十六からの手紙を得意になって朝日に見せた。朗読してもみせた。一枚のラブレターが数十万円で売られたとのうわさもある。千代子は品性下劣で低俗趣味の女だったようだ。しかも恋愛ごっこが好きだったそうだ。それにしてもよく分からぬのはなぜ五十六がのように眼光紙背に徹し見識のある男がかかる下らぬ女に惚れたかということだ。
 東洋の哲学に死者にむち打たずということがある。死んだ梨元にいまさらむちを打つ気は毛頭ないが、一般論として暴露記事を書くことは卑賤な職業だと確信する。

古枯の木―2010年8月29日記す。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿