2009年9月16日水曜日

対等な日米関係など論外

対等な日米関係など論外

 民主党の鳩山代表がその政権公約で対等な日米関係を打ち出した。ではそれは本当に実現可能か。結論から先に言えばそれはドンキホーテ的公約であり、絵に描いた餅に過ぎぬ。実力関係から不可能である。鳩山氏は日本がアメリカによって守られているという事実を忘れているのか。また鳩山は対等な日米関係を提唱しないと自己の地位を失うかもしれないと恐れているか。
 “自ら防守しないものはすべて略奪される”というのは国際政治の鉄則である。日本に充分な防衛力のないときに、戦後日本の平和が維持されたのはアメリカ軍のプレゼンスのおかげだ。日本が核武装をし、充分な防衛力を保持し、真に自主独立の国になったときに対等な日米関係が実現するかもしれない。
 もし古枯の木が鳩山だったら対米関係では安保条約と地位協定の改定を政権公約に掲げる。安保条約には条約という名称が付されているが、じつは無制限にアメリカに対し、基地と駐兵権を与えた一方通行のものだ。わが国が提供する基地は具体的になるべく少数に限定すべきだ。基地の施設や使用は、NATOにおける英仏と同じく, 日米両国の共同管理、共同使用に服しなければならない。現行のようにアメリカの単独管理、単独使用の権利は排除されるべきだ。
 駐兵権については軍隊の量を制限するのが望ましい。また装備に関しては協議の義務を規定するのが理の当然である。核はわが国の生存および安全に至大の関係あるものであるからその持込、使用、移動などは協議事項としなければならない。
 日本の無条件降伏に対する最大の権利が安保条約と地位協定だった。軍隊の持つ機動性と機密性からこれら条約の改定は決して容易なことはないが、なるべく上記の線に近いところで改定するのが望ましい。

古枯の木――2009年9月15日記す。

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