2010年10月7日木曜日

日本語と日本食

日本語と日本食

  古枯の木の知り合いでハワイ生まれの日系二世がいる。英語が大変流暢で日本語は全然話さなかったのでてっきり日本語ができないと思っていた。ところが年老いて少々ぼけてきたとき、彼は突然日本語を話し始め、英語はほとんど出なくなった。ある人によると人間は老境に入ると最初に覚えた言葉に戻るという。この日系二世は子供の頃、人種差別のため白人の子供と遊ぶことができす、もっぱら日系人の子供と遊び、最初の言葉として日本語を覚えたそうだ。その日本語に彼は帰ったわけだ。
 古枯の木は外国語とくに英語が若い頃大好きだった。日本語を忘れるぐらい英語の勉強をしようと考えたこともある。最近では英語のテレビを見るのが億劫になり、日本語のテレビを多く見るようになった。やはり最初に覚えた言葉に帰ってきたのか。
 またよく人間は年老いると最初に食べたものに戻るという。古枯の木は若い頃アメリカ食が大好物だった。だた最近はこれを回避するようになり日本食に回帰してきた。友人の一人がアメリカの病院に入院した。食事に出てきたものは大きなハンバーガーだったという。かれはハンバーガーよりもおかゆと梅干を渇望した。最近古枯の木はそばとうるめいわしの丸干しを好んで食べている。
 人間は年老いると故郷に帰りたがるそうだ。古枯の木は日本語と日本食に帰ってしたが同時に日本の故郷を偲ぶ心も強くなってきた。

2010年10月6日。

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