2010年8月30日月曜日

仮想敵国

仮想敵国

 仮想敵国とは現在は交戦状態にないが将来矛(ほこ)を交えるかも知れない国を意味する。だがそれを決めるための基準はない。古枯の木の小学校3年のとき太平洋戦争が始まったが、幼稚園のころから日本の仮想敵国はアメリカだと教えられてきた。ところがアメリカに来て、ある書籍の中で第二次大戦前のアメリカの仮想敵国は日本ではなくてドイツであることを知った。これにはショックを受けた。事実、第二次大戦中アメリカは90%の軍事力をヨーロッパに向けたのに対し日本向けはわずか10%であった。昭和の軍閥は日本が軍事大国だと盲信、過信していたが、アメリカは日本など歯牙にもかけなかったわけだ。
 では現在の日本に仮想敵国はあるだろうか。日本の周りには軍事的に強大なロシア、中国、北朝鮮、韓国などが存在するが日本の軍事力は余りにも脆弱であり、国際社会における発言力は極めて低い。よって日本にとり仮想敵国と呼べるものはないであろう。日本は仮想敵国を作るほど精神的にもタフでない。東洋におけるアメリカの仮想敵国はロシア、中国、北朝鮮といって間違いないと思う。

古枯の木ー2010年8月29日記す。

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