2009年1月30日金曜日

アメリカドッキリ物語 8

アメリカ・ドッキリ物語 (8)

                古枯の木

日本人旅行者に肝を冷やすこと

 アメリカのホテルやモテルには水泳プールのほかにジャクジを持っているところが多い。ジャクジとは小型円形の小さなプールまたは風呂場のようなもので、ジェット水流を流して中に入る者の疲れた筋肉をほぐし、精神的にリラックスしてくれる。

 このジャクジによく日本人が風呂を間違えてフリチンで飛び込む。するとジャクジやプールにいるアメリカ人男女が悲鳴をあげて逃げ出す。この話をあるホテルのマネジャーから聞いたときは大きな驚きだった。ジャクジに入るときはプールに入ると同様水泳パンツ(英語ではswimming pantsとは言わない。これは和製英語。英語ではbathing suitという)こんなことをしていると日本人は野蛮人と間違えられる。ホテルのマネジャーには日本語の注意書きをジャクジに立てるよう伝えた。

 日本人旅行者をレストランに連れて行くと、スープを飲むとき大きな音を立てる人がいる。スープは音を立てずに静かに飲むものであり、音を立てるとアメリカ人の顰蹙を買う。サラダの皿を上に持ち上げてサラダを食べる人もいるが皿なテーブルの上に置いておいた方がいいい。同じテーブルにアメリカ人が座っていても断りもせず、平気でタバコを吸う人がいる。必ず事前に次のように断って吸うべきだ。

 “Don’t you mind me smoking cigarettes?”(タバコを吸ってもよろしいでしょうか)
 ~“No, I don’t mind.”(吸ってもいいですよ)

 便所に行った日本人がよくズボンのzipper(チャックは和製英語で、英語ではzipperという)をかけるのを忘れることがある。そのようたとき、アメリカ人は、

 “What are you advertising?”(何の宣伝をしているの)

と言って相手の注意を引く。

 またときには日本人旅行者が公園などで平気で立小便している光景を目の当たりにする。立小便はいかなる場所でもしてはならない。

 日本人のホームステイの面倒をよくみているアメリカ人から、日本人は便所で用を足したとき必ず便所のドアを閉めてしまうという。アメリカ人は便所が空いているときは必ずドアを開けておく。閉めてしまうと家人には誰かが未だ便所に入っているという感じを与え使用すうことを遠慮してしまうという。

古枯の木―一橋大学大学大学院修了後、アメリカで勤務、歴史愛好家、著書に『楽しい英語でアメリカを学ぶ』『アメリカ意外史』など)

  

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